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歯科コラム

高齢者・要介護者の虫歯がもたらすリスクとは?

子どもの虫歯は要注意、という意識がある方は多いとおもうのですが、高齢者の虫歯に関してはいかがですか?

「お年寄りも虫歯になるの?」とあまり考えたことがなかったという方は多いのではないでしょうか。実は、高齢者やお年寄りの要介護者の虫歯というのは、意外と多いのです。そして、虫歯が原因の健康被害というのも、実際数多く症例があることも事実です。

高齢者や要介護者の方が虫歯になってしまうとどのようなリスクがあるのか知ることで、家族や自分自身の今後のケアの必要性なども考えてみることが大切です。

目次

意外と多い高齢者・要介護者の虫歯、なぜ?

意外と多い高齢者・要介護者の虫歯、なぜ?

高齢者や要介護者の虫歯が多い原因のひとつに、加齢による歯茎のゆるみがあります。

歯茎がゆるんで、歯の根元の部分が露わになってしまうと、そこから虫歯ができやすくなってしまうのです。通常歯は、「エナメル質」というもので表面がコーティングされています。しかし、歯茎に隠れている部分はこのエナメル質がありません。コーティングされておらず、歯の組織がむき出しとなっているので、その分虫歯菌に弱く、虫歯になりやすいということなのです。

また、高齢者や要介護者は、病気や薬の副作用などで唾液が出にくい状態の方が多くいらっしゃいます。唾液には、ものを食べたり飲んだりしたことで、口の中がより酸性になってしまっているところを中性にし、口の中を清潔に保つという働きがあります。

さらに、虫歯菌と戦い虫歯になるリスクを減らす働きもあります。こうした、大切な働きをもつ唾液が出にくいということは、口の中の状態が悪くなったり、虫歯になったりするリスクが高まるといえます。高齢者・要介護者は、食事の量が減ってしまったり、自身で食事を摂ることが難しいために食事の回数が減ってしまうことで、噛むことで分泌される唾液がますます出にくい状態になってしまうことも、注意しなければならないことです。

高齢者・要介護者が虫歯になってしまったら

口の中を清潔に保つことが難しくなったり、唾液が出にくい状況では、虫歯のリスクが高まるということをお分かりいただけたかと思いますが、では、虫歯になってしまったら、どのようなことが起こるのでしょうか。高齢者・要介護者が虫歯になってしまうと、口の中のトラブルでは収まらず、さまざまな健康被害を引き起こす恐れがあるのです。

認知症になりやすくなる

虫歯になって歯が痛むと、無意識のうちにできるだけその歯では噛まないようにしてしまうものです。噛む回数が減ったり、噛む力が弱くなると、脳への刺激が減ってしまい、結果認知症につながることがあります。

さらには、虫歯によって歯をなくしてしまったら、やはり噛むことができませんから、認知症になるリスクは高まります。認知症になってしまうと、歯のお手入れが上手にできなくなったり、おろそかになってしまったりして、虫歯を増やしてしまうという悪循環を招きかねません。

誤嚥性肺炎になるリスクが高まる

誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液が誤って肺に入ってしまうこと(=誤嚥)で引き起こされる肺炎のことです。食べ物や唾液は口の中を通っていくものですから、口の中が虫歯などで細菌だらけだと、その分その細菌までも一緒に体の中にいれてしまうことになります。誤嚥性肺炎は、この口の中の細菌が肺に入ってしまうことで、肺が炎症を起こす病気なのです。肺炎は、日本人の死亡原因の第4位で、その94%が65歳以上の高齢者といわれています。

そして、高齢者の肺炎の70%が誤嚥に関するものであるともいわれているのです。高齢者・要介護者が虫歯になってしまったら、死亡の原因につながってしまう肺炎をも引き起こすリスクが高まるのです。

歯周病から様々な病気を引き起こす

虫歯を放っておくと、そこから細菌が繁殖して歯周病につながってしまうことはよくあります。これは、高齢者や要介護者だけでなくすべての人に起こり得ることです。しかし、高齢者や要介護者は、若い人や健康な人とは違い、細菌やちょっとしたダメージからも影響を受けやすいので、余計に注意が必要になります。

歯周病菌が繁殖すると、その菌と戦おうとして白血球の活動が活発になります、そうすると心臓などの臓器に負担がかかってしまうのです。また、歯周病菌には、血液を固まりやすくするという物質が多く含まれています。これらを総合的に考えると、心臓などの臓器が弱ってしまったところに血液も固まりやすくなることで、心筋梗塞などの病気を引き起こす可能性があるのです。

高齢者・要介護者の虫歯は、虫歯だけでは済まないことも

高齢者・要介護者の虫歯は、虫歯だけでは済まないことも

これまでご説明してきた通り、高齢者や要介護者の虫歯というのは、虫歯だけにとどまらず、様々なトラブルや病気を引き起こしてしまいます。
たかが虫歯、と放っておくと死亡の原因となる恐ろしい病気にまで発展してしまうことも少なくはないのです。

これを防ぐには、日々しっかりと歯磨きなどのケアをすることです。

ただ、セルフケアではどうしても十分に歯を磨くことが難しい場合もあります。確実なのは、定期的に歯医者さんで歯科検診を受けることです。歯や口の中の状態を定期的にチェックし、必要に応じてクリーニングをしてもらうことで、口の中を清潔な状態に保つことができます。また、万が一虫歯になったとしても、早期発見・早期治療が可能になります。虫歯だからと甘くみず、しっかりと歯科検診を受けて、トラブルを防ぐことが大切です。



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